こんにちは、よろずです。
この記事は
の続きですので、よかったらこちらもご覧ください。
~前回までのあらすじ~
いろいろあって、ハリネズミを飼うことになりました。
名前は「とげ丸」!!
飼う前から名前を決めてしまいました。
とげ丸を飼うにあたり下調べをしていると、どうもケージは広めの方が良いということがわかりました。
そこでネットでケージを探すも、ピンとくるものがなく、辿り着いたのがオーダーメイドケージ専門店。
しかし、欲しい機能をフル装備すると¥45,000+送料。
完全に予算オーバーなので、前職の知識を生かし、自作することに。
オーダーメイドケージ制作「F and K」さん
はめちゃくちゃかっこよいケージを制作されてます!!
前回までで設計図を作図し、1/5完成模型を作り、ホームセンターで材料を揃えました。
今回からはいよいよ制作過程となります。
失敗だったことや、こうすればよかったと思うことを全部書き出していくので、ケージを作る機会があれば参考にしてください。
1.木材カットと塗装工程
1-1.木材カットについて
材料購入の際にホームセンターの加工室に設計図を持ち込み、木材は指定の寸法にカットしてもらいました。
自分でカットしてもいいのですが、手間と時間と正確性を考えたら、プロにカットしてもらった方が断然いいですね。
お店でスムーズにカットしてもらうためにもバラ図は必要です。
自宅に戻り、カット済みの木材を確認していきます。
一応予備として端材も引き取ってきました。
使わなければキャンプの時の薪にも使えるので。
1-2.塗装の下準備について
材料のサイズや数量の確認が終わったら、塗装をしていきます。
やっと本格的な作業で開始でいきなり塗りたくなるのはわかりますが、その前に下準備がいくつかあります。
塗装は下準備が命!!
まず塗装に使う「ハケ」ですが、新品の場合ほこりやごみがついているので、手で揉むようにしてごみを取り除きます。
さらに毛を軽く引っ張ることで抜けやすい毛を事前に除去。
これをやらないと塗装面にハケの抜け毛がこびりつき、取り除くのが相当めんどくさいです。
ハケは水性塗料用で細かい部分と大きい面を塗るのでセット品を購入しました。
・アサヒペン ペイント刷毛 お得用多用途用ハケ3本セット
次に塗装する木材のやすり掛けです。
木材の表面や切断面はそのままだとかなり毛羽立っています。
そのまま塗装すると塗料の水分で表面がめくれ、塗装面がざらざらに。。。
この作業はかなり手間と時間が掛かりますが、塗装前は150番手のサンドペーパーでならし、一回塗後は240番手、二回塗りして最後は400番手で仕上げました。
番手は仕上がりの好みに合わせて変えてみてください。
サンダーがあれば作業がだいぶ捗りますので、今後も使う予定があれば購入を検討してもいいでしょう。正直紙やすりの人力には限界がありました。。。
・紙やすりMIXセット
・吸じんランダムアクションサンダー
やすり掛けの注意点ですが
塗装前に表面をつるつるにしすぎると、塗料がうまく吸い込まれず逆に乗りが悪くなることがあります。
最初はほどほどにして、仕上げ工程で調整すると良いでしょう。
1-3.塗装工程について
いよいよ塗装ですが、その前に豆知識をひとつ。
ご存じの通り木は根から吸収した水分や養分が幹を伝って枝葉にわたり成長して大きくなります。
そのため木の幹はストロー状の繊維の集合体となっています。
したがって木の繊維方向の端にあたる「木口(こぐち)」は水分を吸収しやすい性質となっています。
写真はランバーコア材(角材を薄いベニヤでサンドしたもの)なので、
木口と木端がわかりにくいですが、木口はストローの穴の部分が見えている状態なので、ぽつぽつ穴が開いて見えることもあります。
木端はストローの側面が見えている状態なので、つるつるしています。
前置きが長くなりましたが、これらの部分は塗装の順番に関係してきます。
順番としては「木口」から塗装してストローの穴を埋めることで、表面や木端を塗った時に木口との境い目にムラやシミが出来るのを防ぐことが出来ます。
後は広い面をなるべく厚塗りにならないように薄く均一に塗装していきます。
塗料の種類や色の好みによって複数回重ね塗りしていきます。
2回目の塗装をする前に240~400番手(中目~細目)で やすり掛けしてから行うと、よりきれいな仕上がりになります。
塗料は意外となくなるので、余るくらいあった方が良い
水性アトム自然カラーは約4-6時間で二度塗りが可能ですが、念のため一日置いてから二度塗りをしました。
集成材(板や角材を接着剤でくっつけた木材)は悪い言い方をすれば木材の寄せ集めなので、塗装が乗りやすいところ乗りにくいところがあり、ムラになりやすく感じます。
特に今回は木目を生かした塗装なので、よりムラが顕著になってしまいましたが、それも「味」という事でよいでしょう。
ちなみにあんな言い方をしましたが集成材は乾燥させてから接着するため、無垢材(一本の木からなる材料)より反りが少なかったり、接着方法によっては強度が高かったり、1本では材料にならない細い木も活用出来たりとなかなか優秀な材料です。
1-4.その他の塗料について
今回ハリネズミに影響が少ないようアトムの自然カラーを使用しました。
こちらの製品は植物原料由来の塗料であり、食品衛生法にも適用しています。
しかしあくまで人間基準ですので、やはり塗料の臭いは少なからずありますし、ハリネズミに対して100%安全かと言われればそうとは言い切れませんので、塗装は自己責任で行ってください。
ぼくは念のため塗装後1カ月くらい放置して臭いが抜けてからハリネズミ君をお迎えするつもりです。
不安なことはショップ店員や獣医師など専門家に聞こう!!
ネットで調べてみると、「オスモカラー」「キヌカ」「ミルクペイント」などの
天然由来の成分の塗料を使用している方もいらっしゃいました。
ただ生体の事を一番に考えると無塗装が一番いいのかもしれませんね。
置く場所の雰囲気に合えば無塗装でも充分にかっこいいケージが出来ると思います。
・アトムハウスペイント 水性自然カラー(天然油脂ステイン) 0.7L オールナット
・日本オスモ オスモカラー ウッドステインプロテクター #707ウォルナット 0.75L
・キヌカ
・ミルクペイント for ガーデン
今回ケージがかなり大きく、部材もそこそこ点数があったことや早く作りたいという思いから、下準備をかなり手抜きしてしまいました。
結果、仕上がりは見事にざらざらな表面になりました笑
ざらざらも風合いと思えばいい感じではあるが、、、
下準備の大切さが身に沁みる結果となりましたので、皆さんはしっかりとやすり掛けしてから塗装してみてください。
完成品を家具のような出来でイメージされているならば、最後にニス等でコーティングした方がいいかもしれません。
もしくはホームセンターで棚板用の材料などでしたら最初から塗装してあったり、化粧板を貼ってある商品もありますので、一度店舗で検討してみることをオススメします。
※約1年使用してみて塗装面をコーティングせずザラザラのままにしておくと、拭き掃除をするときに木の繊維が引っ掛かって拭きづらいという難点が浮上しました。
埃だけなら掃除機で吸ってしまえばいいのですが、たまには水拭きしたいので、そこだけは不満が残る形となってしまい残念です。
2.組み立て工程
塗料も乾き、ある程度やすり掛けも済んだので、組み立てに入ります。
まずは大枠を作っていきます。
木材の固定には木工用ボンドと細ビスを使用しました。
最下段は引き出し式なので、底面は全面を覆わずに四辺の枠と桟を一本で
ちょうど感じの「日」を横にしたような形としました。
その土台に側板と背板を取り付けて大枠は完成です。
ビスは極力前面から見えないように打ち込みます。見栄えも大事!!
また、ビスはいきなり組み立てて打ち込むのではなく、あらかじめ位置を決めて細めのビスなどで下穴をあけておいた方が打ちミスなく、きれいに仕上げられます。
横着して何度も打ち直すより、少し手間はかかるけど確実に打ち込むために必要な作業です。
急がば回れ
きれいに仕上げることを意識した方が完成した時により愛着が湧く
インパクトドライバはパワーがありすぎて使い慣れていないとほぼ確実に打ち込みミスをします。
部材も大きいので、二人作業推奨です。効率も出来栄えも上がります。
前面と天井が開口になるので、細長い木材で枠を補強してきます。
・マキタ インパクトドライバ
・コニシ ボンド 木工用速乾ハンディパックンド
・角利スーパー技工 替刃式のこぎり 万能用快速目 210mm
ここで二つほど失敗した点があったので書き記しておくと、
塗装の時にも説明したように、木はストローを束ねたような構造をしています。
そのため、ストローの口に垂直方向にネジを入れても食い込みが悪く、抜けやすいのです。
木材が割れることを心配して細ビスを選びましたが、よりネジ山が高く食い込みやすいコーススレッドを使えばよかったかもしれません。
もしくはジョイント金具を使う手もありました。
・ステンレス ジョイント金具 ブラケット
まあ、50mmと長めのビスを買っていたのと、めんどくさがらずにボンドを使って接合したので、おそらく問題はないでしょう。
使用するビスの長さですが、止めたい材料厚の2~3倍と言われたり、+20mmと言われたりします。
しかし、そもそも細ビスもコーススレッドもだいたい25mmくらいからしか規格がありません(短い木ネジも存在しますが)。
「5mmの板を止めたいから15mmのコーススレッドを使おう」と思ってもないのです。
なので、基本は止めたい材料の+20mmで問題ないです。
というかDIY程度でしたら、ビスが反対側から突き出さなければ何mmでも構いません。
今回も10mm厚の板を止めるのに50mmの長さのビスを使ってますからね笑
細かく考えすぎても前に進まないからな!!
もうひとつの失敗点は寸法のクリアランス(ゆとり)をもっと取るべきだったということです。
電動ドライバー(ぼくはインパクトドライバーを使用)を使うと、手で締めるよりも強く締結するので先に枠を組んだことにより、中に入る棚板部分の幅が収まらなくなってしまいました。
これも組み上げる順番やクリアランスを適正に取ることで回避できたのでしょうが、枠を組み直すのもめんどくさいので、のこぎりで2ミリくらい切り落として対応しました笑
引き出しのクリアランスはうまくいきましたが滑りがイマイチ悪かったので、ふすま等に使うシリコン潤滑剤を塗って対処しました。
・WAKI 木部用シリコン潤滑滑走剤 木部がすべるすべーる ペン
やはり設計やイメージではうまくいっても実際に作る段階になると何かしらの問題に直面します。
それを如何にして対処していくかというところにモノづくりに面白さがあるのですけどね。
ここからどんどん問題が出てきた、、、
何年か前に小学校の先生をしている友人に
「道徳の時間で使うので長椅子を作ってくれ」
と依頼された振りの工作でしたので、作業できる週末が楽しみで仕方ありませんでした。
コロナであまり外も出歩けないので、良い気晴らしにもなりました。
外枠と引き出し、2階部分の組み立てが完了。
続いて前開き扉と天井を組み立てていきます。
前開き扉は細長い木で枠を組んだので、木の反りが影響して直角が出せなかったため、若干枠と干渉してしまいました。
塩ビシートを貼れば多少は矯正できると思いましたが、それでも外枠と干渉して開閉がスムーズに行えないので、丁番とローラーキャッチの位置でうまく調整して事なきを得ました。
天井は金網を貼る予定なので、金網を受ける枠を取り付けて一旦完了。
二階部分とロフト部分に上がるためのスロープを作り忘れていたので、部材と一緒に引き取っていた端材で切り出し。
なぜか塗装を半分までしかしていなかったロフトの床板と一緒に塗装しました。
こんな風に部材自体を切り忘れていたり、寸法が合わず、切り直したりすることは日曜大工だと必ず出てきます。
数の多い部材などは最初から予備をみて多めに切り出してもらったり、後で使えるよう切り出した後の残材は引き取っておきましょう。
本体の組み立ては大まかに完了!!
ここまでで約4日間掛かっています。
次回はアクリルトレーの制作に取り掛かっていきます。引き続きお楽しみいただければ幸いです。
続きはこちらをご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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